デザイン業界でキャリアを積むために資格は必要なのでしょうか?今回の記事では、デザイン関連の資格がどのように役立つかを探りながら、特におすすめの資格をジャンル別に詳しく紹介します。
デザイン系の資格は必要?
デザインの仕事を目指すのであれば、資格取得は必須ではありません。しかし、取得することで、より多くの選択肢が開かれるといえるでしょう。
デザインの仕事には、グラフィックデザイン、Webデザイン、プロダクトデザイン、空間デザインなど、さまざまな分野があります。
それぞれの分野で求められるスキルや知識は異なりますが、共通して言えることは、デザインの基礎知識や技術を習得し、それを実践的に活用できる能力が重要ということです。
資格を取得すると、これらの基礎知識や技術を体系的に学ぶことができ、自分のスキルをクライアントや雇用主に客観的に評価してもらうことができます。
資格取得のメリットとデメリット
デザインの資格を取得することには、さまざまなメリットがあります。
例えば、メリットは以下の通りです。
- 就職活動や転職活動で有利になる
- クライアントからの信頼を得やすくなる
- 自身のスキルアップにつながる
- 自分のスキルを客観的に評価できる
- デザイン業界の知識や情報を得ることができる
一方で、資格取得にはデメリットも存在します。
以下がデメリットといえるでしょう。
- 費用がかかる
- 時間と労力を要する
- 資格取得だけでは、必ずしも仕事に就けるとは限らない
資格取得は、必ずしも万能ではありません。しかし、デザインの仕事を目指すのであれば、取得することで、より多くの選択肢が開かれることは間違いありません。
特に「興味はあるけれど知識がついているか分からない」「なかなか仕事が決まらない状態が続いている」という方は、資格の取得を前向きに検討してもいいと思います。
資格取得を検討する際にはメリットとデメリットを比較検討し、ご自身の状況に合わせて判断することが重要です。
デザイン系の仕事全般に役立つ資格
色彩検定は、色の知識や感覚を深め、デザインや色彩に関する専門性を高めるための資格です。グラフィックデザイン、Webデザイン、ファッションデザインなど、さまざまな分野で役立ちます。
色彩検定は、1級から4級までの4段階に分かれており、レベルに応じて色の知識や応用力を評価されます。
色彩検定の特徴
- 色の知識を体系的に学べる
- 色の組み合わせや効果を理解できる
- デザインの幅が広がる
グラフィックデザインに役立つ資格
アドビ社が提供するデザインソフト、AdobePhotoshop、Illustrator、InDesignなどの操作スキルを証明する資格です。これらのソフトはデザイン業界で広く利用されているため、資格取得は就職活動や転職活動で有利になります。
アドビ認定プロフェッショナルの特徴
- デザインソフトの操作スキルを証明できる
- 最新のソフト機能を習得できる
- 世界中で通用する信頼性があります
- 各ソフトウェアへの専門性を高められる
https://adobe.odyssey-com.co.jp
AdobePhotoshopの知識とスキルを測る資格試験です。この試験に合格することで、あなたがPhotoshopをどの程度使いこなせるかを客観的に証明することができます。
写真加工や動画編集なども含め、デザイン全般に興味がある方におすすめです。
Photoshopクリエイター能力認定試験の特徴
- Photoshopでできることを幅広く学べる
- 写真編集やデザインなど実際の業務で活かせるスキルが身につく
- 動画編集の基礎知識も学習できる
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps
こちらはAdobeIllustratorの知識とスキルを測る資格試験。Illustratorをどの程度使いこなせるかという資格になります。
イラストレーションやロゴデザインに興味がある方におすすめ。Webだけでなく、グラフィックデザインに興味がある方にもチェックしてほしい資格のひとつです。
Illustratorクリエイター能力認定試験の特徴
- ロゴデザインやイラストレーションなどのスキルが身につく
- 印刷物とWebデザインどちらにも適用できる
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il
DTP検定は、DTP(Desk Top Publishing)と呼ばれる、コンピュータを利用した出版・印刷物の作成に関する知識やスキルを評価する資格試験です。DTPは、パソコン上で文書や画像を編集・レイアウトして印刷物を作成する技術全般を指します。
DTP検定の特徴
- 印刷物のデザインや制作に関して幅広い知識が身につく
- 企画力やコミュニケーション能力なども身につく
- 印刷業界など多くの企業から高い評価がある
- ビジネス文書の作成やプレゼンテーション資料の作成なども学べる
Webデザインに役立つ資格
ウェブデザイン技能検定は、Webサイトのデザイン、制作、運用に関する知識や技能を評価する国家資格です。Webデザイナーとして活躍するために必要な基礎知識を習得することができます。
ウェブデザイン技能検定の特徴
- Webデザインの基礎知識を体系的に学べる
- Webサイト制作に必要なスキルを習得できる
- Webデザイン業界の最新情報を得ることができる
HTMLプロフェッショナル認定資格は、HTMLの知識や技能を評価する民間資格です。Webサイトの構造やレイアウトを理解し、コーディングスキルを向上させることができます。
HTMLプロフェッショナル認定資格のメリット
- HTMLの知識を深め、コーディングスキルを向上できる
- Webサイト制作の基礎を理解できる
- Webデザイナーとしての仕事の幅が広がる
- 最新のHTML規格に対応できる
プロダクトデザインに特化した資格
JIDAデザイン検定は、製品のデザインに関する知識や技能を評価する民間資格です。製品のデザインプロセス、ユーザーインターフェースデザイン、デザイン思考など、プロダクトデザイナーに必要な知識を習得することができます。
JIDAデザイン検定の特徴
- プロダクトデザインの基礎知識を体系的に学べる
- 製品開発に必要なスキルを習得できる
- デザイン業界のトレンドを学ぶことができる
https://jida-design-kentei.studio.site
CAD利用技術者試験は、コンピュータを利用した設計・製図であるCADソフトの、操作スキルを評価する国家資格です。CADソフトは、建築、土木、機械、電気などさまざまな分野で利用されているため、資格取得は就職活動や転職活動で有利になります。
CAD利用技術者試験の特徴
- CADソフトの操作スキルを証明できる
- 最新のCADソフト機能を習得できる
- 設計分野の質向上に貢献できる
- 図面を読み解く能力・設計に関する基礎知識が身につく
空間デザインの資格
空間ディスプレイデザイナー認定試験は、店舗やイベントなどの空間デザインに関する知識や技能を評価する民間資格です。空間デザインの基礎知識、陳列方法・色彩・照明、ディスプレイの企画・設計・施工、顧客とのコミュニケーションなど、空間ディスプレイデザイナーに必要な知識を習得することができます。
空間ディスプレイデザイナー認定試験の特徴
- 空間デザインの基礎知識を体系的に学べる
- ディスプレイの企画・設計・施工スキルを習得できる
- 空間デザインのトレンドを把握できる
https://www.designshikaku.net/interia/kukan
インテリアコーディネーター資格は、住宅や商業施設などのインテリアに関する知識や技能を評価する国家資格です。インテリアデザインの基礎知識、住空間に関する幅広い知識と提案、建築基準法、顧客とのコミュニケーションなど、インテリアコーディネーターに必要な知識を習得することができます。
インテリアコーディネーター資格の特徴
- インテリアデザインの基礎知識を体系的に学べる
- インテリアコーディネートの提案力と実践力を身につけることができる
- インテリア業界の最新情報を得ることができる
https://www.interior.or.jp/examination-ic
デザイン資格取得のための勉強法
デザインの資格は、独学でも取得することができます。インターネットや書籍、動画サイトなどを活用して、必要な知識や技術を学ぶことができます。
独学での勉強は、以下の流れで進めましょう。
- いつの試験を受験するか目標を定める
- 学習計画を立てる
- 参考書や教材を揃える
- オンライン学習サイトや動画サイトに登録する
準備が整ったら、学習を進めていきましょう。練習問題や模試を解き、定期的に復習することが重要です。
独学は、自分のペースで学習を進められるというメリットがありますが、モチベーションを維持することが難しいというデメリットもあります。同じ目標を持つ人とSNSやセミナーなどで繋がるのもおすすめです。
デザインの資格取得には、講座やスクールを利用する方法もあります。講座やスクールでは、経験豊富な講師から指導を受けることができ、効率的に学習を進めることができます。
有料だと効果が本当に得られるのかどうか不安になると思うので、まずは無料体験や説明会に参加するのがよいでしょう。そして、以下の点に注意して検討してみてくださいね。
- 自分の目標に合った講座を選ぶ
- 講師の経験や実績を確認する
- カリキュラムの内容を確認する
- 受講料や時間などを比較検討する
デザイン系の資格をとる際に覚えておきたいこと
デザインの資格を取得したら、それを活かしたキャリア設計をすることが重要です。資格取得は、あくまでもスタート地点に過ぎません。
まずは資格取得を活かせる仕事を探し、目標とするキャリアを明確にしましょう。
そして学習した内容をもとにポートフォリオを作成し、転職活動に積極的に取り組んでいくことになります。その際、自分の強みと弱みを分析し、得意を生かせるようにするのが望ましいです。
資格をとったらそこで終わりではありません。デザインはトレンド、最新のソフトなど、常に変化していくものです。
そのためデザイン業界の最新情報に常にアンテナを張り、自身のデザインスキルを向上させていく必要があります。新しいデザインソフトを学んでいき、できることの幅を広げていくのもいいと思います。
デザインの資格取得は、スキルアップのための第一歩です。資格取得をきっかけに、デザインの知識や技術を深め、より高いレベルを目指しましょう。