フリーランスデザイナーの単価の決まり方は?相場や報酬を最大化する方法なども解説

フリーランスデザイナーとして活動する際におさえておきたい、単価に決まり方について解説します。
損をしたり、契約と違うということにならないよう、どんな方法があるのか事前にチェックしておきましょう。

フリーランスデザイナーの単価決定方法

契約形態による単価の違い

フリーランスデザイナーとして活動する場合、単価設定は非常に重要な要素です。単価設定を誤ると、せっかくの仕事が割安になってしまったり、逆に高すぎるために仕事が来なくなったりする可能性があります。そこで、まずは契約形態による単価の違いを理解することが重要です。

大きく分けて「時間制」「成果報酬制」「定額制」の3つの契約形態があります。

時間制

時間単位で報酬が決まる契約形態です。いわゆる「時給」の形になります。
例えば1時間あたり2000円の単価であれば、月に100時間働けば200,000円の収入を得られます。

この契約形態は作業時間が明確で、クライアントとの間で報酬の計算がしやすいというメリットがあります。
一方で、タイムカードや時間管理を厳密に行う必要があり、作業時間が長引くと報酬も高くなるため、クライアントにとってはコストがかかりやすいというデメリットもあります。

成果報酬制

成果物に対して報酬が決まる契約形態です。
例えば、ウェブサイトのデザインを10万円で請け負う場合、デザインが完成すれば10万円の報酬を得られます。

この契約形態は、クライアントにとっては成果物が完成するまでは費用がかからないため、リスクが少ないというメリットがあります。またデザイナーにとっては、得意分野などで完成まで時間がかからなかった場合、時給換算するととても高額な報酬を得られる可能性があります。
しかしながら、逆に成果物が完成するまでに時間がかかったり、クライアントの要望が複雑で何度も修正が必要になったりした場合、報酬が割に合わないということも発生します。

定額契約制

定額契約制というのは、プロジェクト全体で報酬が決まり、あらかじめ決められた報酬が決められた期間中、コンスタントに得られる契約形態です。

この契約形態は、デザイナーにとっては報酬が安定しているというメリットがあります。また月の稼働時間が決められている場合、それを超えるとプラスで支払ってくれるケースもあります。
一方でクライアントにとっては、作業時間が長引くと割高になる可能性があります。

このように、契約形態によって単価設定の考え方が大きく変わります。そのため、案件ごとに適切な契約形態を選択できるのが理想だといえます。

参考相場はどのくらい?

フリーランスデザイナーの単価は、経験やスキル、案件の難易度によって大きく異なります。目安としては、だいたい以下が相場だといわれます。

  • 初心者:1時間あたり1,000円~3,000円
  • 中級者:1時間あたり3,000円~8,000円
  • 上級者:1時間あたり8,000円~15,000円

これはあくまでも目安であり、案件によって大きく変動する可能性があります。例えば、デザインの難易度が高い案件や、納期が短い案件などは、単価が高くなる傾向があります。

また近年では、AI技術の進化によって、デザインの自動化が進んでいます。そのため、従来よりも低価格で仕事を依頼されるケースも増えています。

フリーランスデザイナーとして活動していくためには、常に市場の動向を把握し、適切な単価設定を行うことが重要です。

市場調査をしよう

自分のスキルや経験に見合った単価を判断するために、市場調査は欠かせません。市場調査では、以下の情報を収集することをおすすめします。

  • 同じようなスキルを持つ他のフリーランスデザイナーの単価
  • 自分が提供したいサービスの相場
  • クライアントの予算

これらの情報を収集することで、自分の単価が市場でどの程度の位置づけにあるのか、客観的に判断することができます。

損することのないように、フリーランス向けの求人サイトやクラウドソーシングサイトで、同じようなスキルを持つデザイナーの単価を調べたり、クライアントにヒアリングしたりして、単価の市場調査を行うようにしましょう。

市場調査は単価設定だけでなく、案件獲得にも役立ちます。クライアントの予算を把握することで、より適切な提案を行うことができます。

案件獲得と単価の決め方

フリーランスエージェント

フリーランスエージェントは、フリーランスデザイナーとクライアントを繋ぐ仲介役です。エージェントに登録することで、案件紹介や単価交渉などをサポートしてもらえます。

エージェントを利用するメリットは、以下のとおりです。

  • 案件探しや単価交渉の手間が省ける
  • 自分に合った案件を紹介してもらえる
  • 報酬の支払い保証がある場合もある

ただし、エージェントには手数料がかかる場合があるため、事前に確認が必要です。エージェントを利用する際は、実績や評判などをよく調べてから選びましょう。

クラウドソーシング

クラウドソーシングは、インターネットを通じて仕事を発注・受注するサービスです。クラウドワークスやココナラ、ランサーズが有名ですね。

クラウドソーシングを利用するメリットは、以下のとおりです。

  • 案件数が多く、仕事を見つけやすい
  • 世界中のクライアントと繋がることができる
  • 自分のスキルをアピールできる

ただし、競合が多いので、単価が低くなる傾向があります。また、クライアントとのコミュニケーションが難しい場合もあります。

クラウドソーシングで仕事を受注する際は、ポートフォリオを充実させ、実績を積み重ねることが重要です。

SNSやポートフォリオを強化する

SNSやポートフォリオは、自分のスキルや実績をアピールする重要なツールです。

SNSでは、デザインに関する情報を発信したり、他のデザイナーと交流したりすることで、潜在的なクライアントにアピールすることができます。実際にX(旧Twitter)で案件を獲得しているという声もあります。
ポートフォリオは、自分のデザインスキルを具体的に示すものです。高品質なデザイン作品を掲載することで、クライアントからの信頼を得ることができます。

フリーランスデザイナーの成功事例

高単価案件を獲得する

高単価案件を成功させるためには、高いスキルと実績が必要です。また、クライアントとの信頼関係を築くことも重要です。

成功事例として、クライアントの要望をしっかりと聞き取り、企業のブランドイメージに合ったデザインを提案したところ、クライアントから高い評価を受け、高額な報酬を得られたと事例があります。

そのフリーデザイナーは、常に最新のトレンドを研究し、デザインスキルを磨いてきました。また、クライアントとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築くことを心がけてきました。
そのおかげで高い評価が得られて、想定よりも高い報酬を得られることができたのです。

なるべく単価の高い仕事を探す、ということも重要ですが、クライアントの要望に沿ったデザインを誠意をこめて作成する、ということが重要なことがわかります。

長期契約を獲得する

長期契約を勝ち取るためには、クライアントとの良好な関係を築き、継続的に信頼を得ることが重要です。

例えば、デザインスキルが同じくらいの人がいたとして、どちらか一方が長期契約になるというケースの場合、コミュニケーション能力の高さで選ばれることが多いです。
クライアントとのコミュニケーションを密にすること、常にニーズを把握し適切なデザインを提供すること、また納期を守って丁寧な対応をすることなどで、クライアントからの信頼を得ることができます。

長期契約を勝ち取るためには、高いスキルと実績、そしてクライアントとの良好な関係が重要になります。

新規顧客を開拓する

フリーでデザイナーをしていると、収入が途切れないよう、案件が終わる前に次の新規顧客を獲得しなくてはいけない、という状況になることも珍しくありません。
新規顧客の開拓は、フリーランスデザイナーにとって重要な課題です。新規顧客を獲得するためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • ターゲットを明確にする
  • 自分の強みをアピールできるようにする
  • 積極的に営業活動を行う
  • 顧客との繋がりを作る

中小企業のウェブサイト制作に関するセミナーに参加したり、オンラインで情報発信したりすることで、潜在的な顧客にアプローチすることができます。
新規顧客開拓は地道な努力が必要ですが、積極的に行動することで、仕事に繋がる縁が見つかるはずです。

まとめ

フリーランスデザイナーの単価の決まり方には、「時間制」「成果報酬制」「定額制」があることを解説しました。単価設定では契約形態や市場調査を参考に、自分のスキルや経験に見合った価格を設定することが重要です。

トレンドに合わせたスキル習得や、フィードバックを活かしたスキル向上、コミュニケーション能力の向上などに取り組んでスキルアップをはかり、より高単価な案件を獲得できるようにしていきましょう。

フリーランスデザイナーとして成功するためには、常に学び続け、努力を続けることが大切です。